「配属ガチャ」問題の背景と対策ー就活生編

配属ガチャ就活生編

皆さん、こんにちは!
今週、私はオーストラリアのメルボルンから帰ってきました。
帰国した途端、40度近くの猛暑日で息が苦しくなるほどの暑さですね。
そんなこんなで娘がダウンしました…週末、台風も近づくか否かと言われているのでおとなしくしていたほうがよさそうでかね。

さて、今回はすでに既知となっている新用語、
「配属ガチャ」についてのお話です。

この言葉を聞いてどのようにお感じになられますでしょうか。
私などはやはりネガティブな印象のある言葉だな…と思ってしまうのですが、就職活動中の方も、やはり良い意味で使ってはいないケースが多いのかとも思います。

ましてや新入社員を受け入れる立場の企業側からすれば、言いたいことがたくさんあるのでは(笑)ないでしょうか。

そこで、今回は前後編の前編として、
「配属ガチャ」について、就活生の皆さんに向けてお話したいと思います。

後編は、企業側にとっての「配属ガチャ」とは、そして具体的な対策までお話させていただく予定でおりますので、こちらも合わせてご覧いただければと思います。

就活生や新入社員の皆さん、ご自身もぜひ読んでみて下さい!
読んでいただきたい、「配属ガチャ」の言葉の本当の意味とは。
ではどうぞ!

目次

配属=運??

そもそもの話、「ガチャ」とはなんでしょうか。
Z世代含む若者にとってはすでに浸透している言葉ではありますが、本来は「ガチャガチャ」から来ている言葉ですね。

いわゆるトイカプセルの什器ですが、今の若者はむしろソーシャルゲーム内でのアイテムやキャラクターがランダムで排出されること、という意味で使われていることが多いようです。

この、「ランダム」ということが「ガチャ」の意味するところなわけです。
要するに「配属ガチャ」は、運不運、くじ引きのようなもの、というニュアンスで語られているということなのですね。

就活生にとって、希望する配属先に就けるのかどうかは運次第、と考えられている側面があるわけです。

ハズレの配属先??

それでは就活生にとって、いわゆる「ガチャ」が外れたと感じさせる配属先とは、どのような所なのでしょうか。

一般的には、望まない地方遠隔地への配属や、入社時に希望した部署ではないところ、上司や先輩に恵まれない、などが含まれる場合もあるようです。

ガチャガチャのカプセル

総じて言えることは「自分の希望通りではなかった」
つまりは「就活生の希望と配属のミスマッチ」が起こっているということになります。

しかし、特に就活生さんに考えていただきたいことがあります。
「それは果たして、本当にミスマッチなのでしょうか?」と。

希望通りにいかない理由

就活時に、どのような希望を持っているのか、どのような仕事に就きたいと考えているのか、就活生も会社に伝えているはずです。

それでも起こる「希望に反した配属」はなぜ起こるのか。

もちろん会社側の都合、これがもっとも多いかと思います。

人員計画、経営戦略、今後、企業としてどのように成長していくか、限られた人材をどのように活かすのか、
これらすべてを鑑みて、合理的に計画されている
はずです。

要するに、「経営の都合」が、希望の配属となる場合ばかりではない、ということ。

ここで就活生によく考えていただきたいことがあります。

つまり、「配属」は、決して運などではなく「経営的に合理的な理由がある」ということです。

会社の合理的理由、様々

長年採用に携わってきた私が、数々の企業の担当者さんから聞いた限りでは新入社員の配属には、それぞれ、確固とした「合理的理由」が必ず、あります。

今や新入社員は貴重な人材。「運」などと呼べるようなテキトーな配属をする企業は少ないと思います。

もちろん説明されてもすべてに納得のいくことは難しいでしょう。しかし、会社は自社の未来のため、そしてすべての社員のために存在し、健全かつ収益性の高い組織を目指しています。

ビル群の写真

そして、何よりも知っていただきたいのは、
「会社は、貴重な人材である新入社員に、より活躍してもらうため、育成していきたい」と考えている、ということ。

希望通りではなかった、というそれだけの理由で「ハズレガチャ」と切り捨てる前に、なぜそのような配属となったのか、少し立ち止まって考えていただきたいのです。

学生の希望は優先されない??

会社に「合理的理由」があって就活生の希望がかなわなかった、とします。

では、そもそも就活生の「希望」とはどのようなものでしょうか。
これはその人にもよるのですが、一般論として、希望とは違う部署や居住地ではない場所への配属などです。

確かに希望とは違う部分はあったかもしれません。自身のライフスタイルや将来のビジョンなどから遠いと思われたのかもしれません。

しかし、それを「ガチャが外れた」と表現することは、やはり少々危険かなと感じます。

どのような仕事であっても、今現在、その仕事に真摯に取り組んでいる人がいます。そして、それら社員の仕事、各部署の成果が相互に協力し、会社全体が利益を得ています。

どの部署も、どの仕事も会社にとっては大事な、
なくてはならない仕事なのです。


企業側と学生が、しっかり入社前にコミュニケーションを取り、企業理解・仕事理解を深めて頂き、双方で入社後のイメージをすり合わせ、納得できる共通認識があれば「ハズレ配属」は存在しなくなるのではないでしょうか。

「ガチャ」を言い訳にしてはいけない

少々厳しい見出しになってしまいましたが、上記の「合理的理由」には、他にも様々なことが考えられます。

例えば、
希望した部署の仕事に対するスキルが不足している、入社後の能力・適性を見てから配属部署をジャッジしたい、希望の部署に必要なスキルを別の部署でインプットして欲しい、まずは現場を知らないと他の仕事は任せられないetc…

いかがでしょう、これらの「合理的理由」、これは少々耳の痛い話ではありますが、もっともな理由なのではないでしょうか。

希望が通らない、これは「会社の都合で勝手に決められた」と感じているのでしょうか。しかし、
その仕事に、その部署に見合った人材かどうか、それを決めるのはあくまでも会社です。

希望が通らなかった、行きたくない部署に配属されたことを「ガチャが外れたから」と納得することで、「やらない」言い訳をしているケースはありませんか?

「配属」には「理由」があります。もちろんすべてが会社の判断です。
その判断に至った理由は、決して「ガチャ」などの一言では言い表せられないということを心に留めて欲しいのです。

ガチャが外れる=ダメ、ではない

就活生にとっては希望が通らないのであれば、この会社に入らなかったのに、と感じる方もいるかもしれません。

しかし、ちょっと待ってください。
はたして本当に「希望が通らなかった」のでしょうか。

会社は、就活生から希望を聞いているはずです。どのような仕事がしたいか、将来のビジョン、会社にどのような貢献をしたいか、などなど…。

そして、その結果が「採用」です。
これはどういうことでしょう。

まず、就活生、入社した時点では新入社員とは、どのような存在か、ご存知でしょうか?

こちらでも詳しくお伝えしております。

要約しますと、まずは大前提として、新入社員は、まだ何の実績もなく、スキルも未知数、即戦力とは真逆の存在、ということです。

それでも新卒を採用する、その理由はご存知でしょうか。

新入社員が会社で果たす「役割」

新卒は、入社時点での「即戦力」を期待されて採用されたのではありません。
まだ何も知らないからこそ、組織文化や価値観をイチから共有し、会社と共に成長することを期待されています。


組織文化や会社の歴史、それらを体現する「生え抜き」であることにこそ価値がある、それが新入社員。

つまり、新卒は「育成」を前提に採用されているということ。

入社時点での能力ではなく、組織の未来をつくる人、として期待され、大切に育成しようと採用されているのです。
会社が新入社員に期待する「役割」、少し見えてきたのではないでしょうか。

価値ある人材に

配属に際し、会社はたくさんのことを考えます。
今や新入社員は大変貴重な存在です。費用も人的資源も投入し、時間をかけて我が社の一員となって欲しい、そう判断された人材です。

若いビジネスパーソン

そんな貴重な新入社員のことを、会社はとても大切に考えています。育成し、戦力となって会社の未来を一緒に作っていきたいと考えています。

今回のコラムで就活生に一番伝えたいことはここです。

たとえ希望の部署に配属されなくても、それは必ずしも内定者を軽んじているわけではない、ということ。

新入社員にはこれから社会で成長して欲しい。そして、いつか本人が希望する部署で活躍できる、そんな人材になって欲しい、会社はそう考えているのではないでしょうか。


そんな20代の皆さんにぜひ読んで頂きたいコラムをご紹介しておきますね。

それでも希望が通らないこともある。

どのような部署でも、どのような仕事でも雇われたからには文句を言うべきではない、
こんなことを言うつもりはまったくありません。

実際、実績を積めば希望部署に異動もありますよ…とニンジンをぶら下げて、そのまま現場で使われ続ける、というような残念な事例もあるでしょう。
しかし、それですら理由は様々あるでしょう。
会社の望む人材へと成長できているか、または既存社員との兼ね合い。

このような状況を理解しつつ、それでも納得できなければ…
会社の期待を超える人材へと成長し、もっと評価してくれる会社を探す。これもまた良いことだと思います。

同じ未来を描こう

いかがでしたでしょうか。
「配属ガチャ」と嘆く前に、新入社員にはまだまだやれることがあるはずですよ…というお話でした。

少々説教臭くなってしまった(笑)でしょうか。
配属ガチャを言い訳にせず、真の意味で会社に求められる人材へ成長して欲しい。そして会社は新入社員の育成に一定の責任があるべき、と私は考えております。

会社と社員は同じ未来を描く、同じ船に乗った同志です。
会社としても、ガチャと言われる前に、もっと就活生とコミュニケーションを取るべきなのかな、とも感じます。

ということで、次回は後編、
「配属ガチャ」問題の背景と対策ー会社編」をお届けする予定です。
「配属ガチャ」と言われてしまう現状、それでも希望通りの配属は難しい現実、ジレンマを抱えつつ、就活生と同じ方向を向き、共に成長できる会社となるには。ご期待ください!!

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