評価面談は人事評価を左右する重要な機会です。
本記事では、管理職に求められる上司力と面談スキル、準備の重要性について解説します。
とくにこの春、役割が変わる今だからこそ、向き合いたいテーマです。
暖かく感じる日も多くなり、いよいよ春の訪れを本格的に感じる日々ですね。
皆様の職場にも4月には、異動や赴任などで、新しい立場で働く人が来るのではないでしょうか。
そして、新入社員を含むすべての若手社員も、年次が上がり、ますます責任ある立場を担うことになるかと思います。
4月は出会いと別れの季節。役割が変わる、役職が上がる、後輩ができる。多くの会社で新たに頑張ろう、という気運が高まるこの時期を前に、だからこそ今、「面談」と「評価」について改めて考えてみたいのです。
評価をする、される
会社にもよりますが、6月・12月の賞与の前に評価面談を行うことが多いかと思います。面談は、その人のこれまでの頑張りを左右するとても大事な場面です。
賞与の額にも関わってきますし、今後の人事にも影響します。
その大事な面談の評価基準はどのようになっているでしょうか。
もちろん、会社によって評価制度の基準は違います。
営業職が主体の企業に多い「頑張った人にはボーナスで反映する会社」があれば、その一方で、個人差をあまりつけずに成果報酬を一律でボーナス支給する会社も存在します。
では、「評価」をボーナスなどに反映させるとして、その評価基準はどのように設けられているでしょうか。
例えば営業職であれば「数字」という明確な物差しがあります。
しかし、そうではない職種・業種の場合、その基準があいまいになってしまったり、上司(面談者)による「印象」「関わり方」に任されてはいないでしょうか。
面談とは?
面談は、その人の半年の働きとその成果を棚卸しする場です。「評価」が目的ではありますが、実はそれ以上に多くのことができる貴重な時間でもあります。
面談の時間は、キャリア形成や、これからの方向性、なりたい自分、これから半年のキャリアビジョンなどを明確にし、個人と会社で進む道をすりあわせることができる場面なのです。
しかし、ここでひとつ心配なことがあります。
面談者は主に直属の上司ということになるかと思いますが、その面談者は、きちんと自分の役割を理解しているでしょうか。
上司、責任重大
面談者の上司の責任は重大です。
本来であれば部下、ひとりひとりの評価シートをしっかりと記入し、検討し面談しなければなりません。
しかし、日々の業務に追われてそれらがおざなりになってしまっている会社が非常に多い印象です。
そうすると、どういうことが起こるでしょうか。
「相性」に頼りがち
上司も人間です。普段の印象、所作からくる感想、普段の「自分から見える部下」を評価する。
それは当たり前でもあるのですが、深く考えずに面談にのぞむと、どうしても「相性」に頼りがちになってしまうのです。
そう、上司も人間。しかし、その「相性」での評価は、あくまでも「上司が感じる」主観に過ぎません。
それが会社として、組織として公平に欠けること、そしてその部下にとっても組織にとっても良くないことは言うまでもありません。
では、どうすればこれを防げるのでしょうか。
「上司スキル」インプットしていますか?
年次が上がり、後輩ができ、部下ができ、役職がつく。それで体面上は「上司」になりますし、面談もする立場になります。
しかし、その上司、きちんと「上司スキル」を身につけているでしょうか。
もうひとつ具体的にすると「評価面談スキル」はちゃんと身に付いておりますでしょうか。
これが意外とできないという例が非常に多く見受けられるのです。
上司のスキルに関しては過去エントリでも触れておりますが、
こういった「面談」に関しても、しっかりと体系のある「スキル」をしっかりと意識して欲しいのです。


上司の役割
それでは、上司の役割とは、具体的にどのようなものでしょう。
当たり前ではありますが、自分が率いるチーム全体の売り上げや成果を上げること。これが第一義です。
ではその「成果」を出すためにはどうすればいいのか。
それはひとりひとりの働きにほかなりません。では、個々がそれぞれに頑張れば成果は上がるのか。営業など数字が出やすいものであればそうかもしれません。しかし、数字に見えにくい「成果」はチームで達成する必要があります。
上司自身もプレイングマネージャーである場合が多いですが、全体の「達成」には、上司にはチームに対するサポート力、アシスタント能力が求められます。
ひとりひとりのパフォーマンスを上げるのはチームのため。
チームの目標達成には、個々のパフォーマンス向上が不可欠。このあたりが「マネージャー」としての仕事になります。
「計画」あってのマネジメント、「個性」あっての組織
つまり、チームの目標に対して個々のパフォーマンスの目標を設定する「計画」が必要不可欠、ということです。
そして、その人の目線に立ち、「この人ならこれができるのではないか」というフィードバックをかけていく。
その際に、毎日接している上司だからこそわかる、その人の癖や個性に合わせた伝え方など、しっかりと計画があって伝えることができていますか?ということをお伝えしたいのです。
面談は最大のチャンス
面談は評価や賞与が決まる「試験」「判定」の時、と思われている方が多いかと思います。もちろんその面は大いにあるのですが、私はむしろ「チャンス」と捉えて欲しいと思うのです。
今までの達成度、未達箇所、これまでの振り返り、新たな目標設定、これらを本人と膝を交え、しっかりと時間を取ってすり合せできる。これがチャンスでなくてなんでしょう。
これを、面談者である「上司」にも、しっかりと認識し、体系だった「面談」をしていただきたい、と強く思うのです。
大切なのは「準備」
「面談」はとても大切な時間だ、ということをお伝えしてまいりましたが、この貴重な「面談」のチャンスを最大化するにあたり、実は「面談」の時間よりも大切なものがあります。
それは「準備」の時間。
効果的な「面談」には、しっかりとした準備が必要です。
評価シートのようなものがある会社も多いでしょうし、個人が目標設定をしていることもあるかと思います。それらをしっかりと把握検討した状態で、面談にのぞんでいただきたい。
それが「面談」という時間、そして対象者の成長をさらに後押ししてくれるはずです。
…と、これまで伝えたことはかなり「当たり前」と思われる話ばかりだったかもしれません。
それでもなぜ今回、コラムでこれをお伝えしたかったかというと、日々の忙しさで、なかなかその時間をしっかり取ることができていないケースが非常に多いからです。
ですので、ぜひ時間を取って、このあたりをしっかりと考えていただきたい。せっかくの面談という大きなチャンスを、逃さないでいただきたいのです。
具体的な「上司力アップ」法
では、そんな「上司力」、具体的にはどのようにインプットすればいいのか。あくまで一例ではありますが、このようなものがあります。

こちらは面談の話法のチャート例です。
このチャートに沿ってロールプレイングを行えば、より精緻な面談が可能になるはずです。
また、このような振り返りシートも大変有効です。

面談は、する側、される側、双方共にどのような思いを持つか、ということをあたらめて考えるシートです。
面談そのものがストレス、という方も多いでしょう。過去に面談で嫌な思いをした人もいるはずです。
では、それが「何が」「どんな言葉が」不快だったのか。思ったことを言い出せずにいたのはどのような場面か。
面談は一方が一方を断じる場所ではありません。コミュニケーションの場は、常に双方向です。
過去の経験から、より有意義な面談を目指すことができるでしょう。
その他、これらの資料を元に社内でワークショップを実施する、評価者向け研修を行うなど、「上司力」を意識的に高めていただくことで、面談のチャンスを最大化できるはずです。
いかがでしたでしょうか。
面談も、結局はコミュニケーションです。終わった時に、双方が「では今後もよろしくお願いします」と握手で終われたら、それは「よい面談」なのかな、と、そんな風にも思うのです。
双方が納得し、未来に向けて目標を再設定し、さあ頑張るぞ!という気持ちで、快く次の半年を迎えていただきたい。
部下にとってはジャッジの場面、断罪されるような場所と思う方もいるかもしれませんが、実は組織づくりの大きなチャンス、それが面談です。
上司力インプット、面談者研修など、課題がありましたらぜひ弊社にご連絡ください。
上司力アップで組織をより高みに!Tenmaruは、面談の効果を最大化するお手伝いをさせていただきます。
評価面談の質が変われば、組織の未来も変わります。

