新年度の始まりにマインドセットを!成功の共有が好循環を生むその理由

20240325

いよいよ春本番!新年度が始まりますね。
皆さまはどのような1年にしたいとお考えでしょうか。

今回は、年度始めにふさわしい「仕事におけるマインドセット」についてお話しします。成功の共有が好循環を生むその理由とはなんでしょうか。

目次

「振り返り」=「反省」?

頭を抱えるビジネスパーソン

新入社員の2年目に向けた行動指針研修を実施した際の話です。

自分はどんな人物なのか、自分の価値観、達成できたこと、まだ理解できていないことなどを挙げていただきました。また、彼らの先輩・上司から新人さんたちが頑張ってきたこと、より頑張って欲しいことなど、事前ヒアリングした内容をフィードバックしました。

以前から振り返りと行動指針作成の大切さは何度もご紹介しておりますが、この1年間の成果と課題を洗い出し、今後の目標を定めることで新人さんは成長していきます。

「振り返り」は、今までの成果と課題を再認識するものです。
しかし、なぜでしょう。多くの方が「振り返り」をネガティブなものとして捉えているように思われるのです。

振り返りのネガティブパターン3選

面談

振り返り時に起こりがちな3つのネガティブパターンを見てみましょう。

「できなかったこと」を語りがち

記入式のシートには、自身が頑張れたこと、成果を書き出す欄があったにもかかわらず、多くの受講者が、「できなかったこと」を多く書き込んだのです。

これは何も新人に限らないことですが、過去の振り返り、という課題を出すと、何かと「ああすれば良かった」「ここが至らなかった」「これができていなかった」といった、「反省」の記述をする方が多い傾向があります。

実際に、こういった「過去の振り返り」をした際、特に条件を設けていないにもかかわらず、「できたこと」ではなく、「できなかったこと」が圧倒的に多く報告されるのです。

ダメ出し=指導と考えがち

この研修では、1年間の振り返り材料として、先輩や上司のヒアリングも実施しました。
新人さんが1年間で達成できたこと、もう少し頑張って欲しいことなどを挙げていただいたのですが、実は、こちらでも同じような傾向がありました。

「できていた」ことよりも、「できていなかった」ことのボリュームのほうが多かったということですね。

至らないところを改善すれば、優れた人材に成長する…それは事実かもしれませんが、「振り返り」をお願いしているのです。「できていた」ことにもう少し着目してあげても良いのでは…と、個人的には感じました。

日本人、反省しがち

なぜ誰も彼もが、振り返りと聞くと「至らなかったこと」「できなかったこと」ばかりを挙げるのでしょうか。

これには日本人の気質が大きく影響しているようにも思えます。日本人は褒められると、「大したことないですよ」と謙遜するのが美徳とされてきました。
反感を買わないための防御と言ってもよいかもしれません。日本人の多くは成功を誇ることを「驕り」とし、謙虚こそ美しいさまだという価値観で生き抜いてきたからです。

もちろん過剰な自信は要らぬ反感を買いかねませんし、本人の成長の妨げにもなる可能性があります。しかし、「謙虚」によって、自身の成功体験すら過小に評価してしまうのはあまりにもったいないものです。

反省はとても大切なことです。しかし、反省と同じくらい、自分の成功を誇ってみてもよいのではないでしょうか。

「反省」よりも「自信」を分かち合おう!

手で円陣を組む人たち

成功体験をしっかりと認識することは、自信にもつながりますし、仕事へのモチベーションもアップします。

しかも、それだけではありません。成功体験の分かち合いは、周囲へも良い影響を与えていくのです。

今回の研修では、振り返りの中でひとりの新人さんが自身の成功体験を語ってくれました。それは会社にも大きく貢献するもので、慣習として行われてきたことに対する疑問を確認したことで問題が顕在化し、社内ルールが変わったという、まさに「新人ならでは」の成果でした。

この体験は、新人さんにとっても非常に大きなもので、自信とやりがいに繋がった、ということでした。

するとどうでしょう、それまでは「反省」ばかりの体験談に、成功例を語る人が増えてきたのです

思い返してみてください。振り返ったとき、もちろん至らなかったところはたくさんあったでしょう。しかし、それと同じか、それ以上に良かったこと、成し遂げたこともあったはずです。そして、それは誰しも同じはずなのです。

また、思い当たる成功体験がなかったとしても、成功体験を共有することで、自分の糧にすることができます。
「ここなら自分にも取り入れることができる」「今度はこういう工夫をしてみよう」という、前向きな気持ちを持つことができます。

マイナスをゼロに、ゼロからプラスにするという発想も大切ですが、今あるプラスに目を向けて認める方がずっと前向きな気持ちになれるとは思わないでしょうか。

そして、プラスの気持ちは周囲の心も前向きにし、前向きな気持ちはさらに周囲を巻き込み、大きくなっていきます

体験の共有、分かち合いで生まれるものはなんでしょう。
それは共感です。

同じ立場で一緒に頑張った仲間の体験談には、どこかしら共感できるところがあるはずです。
「できたこと」「成功体験」を分かち合い、そうだ、自分にも頑張れたことがあったな、ここは成し遂げたな、自分にも取り入れていこう、とみんなが思える、そんなプラスの循環を起こしていただきたいのです。

ポジティブな「振り返り」をしよう!

PCを見て笑うビジネスパーソン

仕事におけるマインドセットにはさまざまな方法があります。
キャリアプランを見直し、なりたい自分を精緻に描き、中長期的な目標を立て、自分自身を見つめ直す…

言葉に直すとこのようになるでしょうか。

課題を克服するというのは大切なことですし、日本人あるある(笑)のメンタリティでもあります。

日本人はウィークポイントを克服し、水準を上げていくのは得意分野なのですが、ひとつ抜けた成果を出すことに向かない、と感じることが多くあります。

自分ができたことを褒め、できたことを共有して嬉しい気持ちを分かち合うことで、周囲のメンタルにも良い影響を与えますし、成功を取り入れようと思います。そして、成功体験を共有すると、「なぜ成功したのか」をあたらめて考え直すことになります。

もうすぐ4月。新年度が始まります。
年次が上がり、役職が上がる方も多くいるかと思います。新しい年を迎えるにあたり、この1年、どのような取り組みができたかを振り返っていただきたいのです。

そして、「できたこと」「自信につながる成果」をなるべく多く見つけ、それを周囲と共有し、成功事例として取り入れていただきたいのです。

「意識的」に行おう!

20240325

「振り返り」と聞くと、つい反省しがちな私たち日本人。
「できなかったこと」は、克服しようと強く心に残る場合が多いようです。しかし、「できたこと」は置き去りになりがちではないでしょうか。なぜなら、「できている」からです。

「できなかったこと」の振り返りは意識しなくても、皆さん自然と行えてしまうということです。もちろん「できなかったこと」の反省と振り返りもとても大切ですし、これはこれで取り組んでいただければと思います。

そして、「できたこと」を振り返ることここを意識的に行っていくことで、新年度へのモチベーションもアップしていきます。

会社のグループワークでも朝礼でも、それこそ親しい友人同士でも構いません。自分の成功を探す振り返りをぜひ!取り入れてみてください。

「こんな評価をされて嬉しかった」「こんな仕事ができたんだよ」これらを言葉に出すことで、周囲も幸せな気持ちになりますし、前向きになれます。自慢と受け取られてしまうと心配する方もいるかもしれません。

自慢でも構わないではありませんか。あなたは成果を出しているのですから、成果を誇るのは何も悪いことではありません

自分自身を認め賞賛し、前向きな気持ちを持てるマインドセットを。ということですね。

新年度を迎えるにあたり、自分のご機嫌を取る(笑)ではありませんが、もう少し自分を褒めて認め、その気持ちを共有してみてはいかがでしょうか。

いかがでしたでしょうか。「成功体験」の共有を通じて、仕事におけるマインドセットを今一度、皆さまで考えていただければ幸いです。

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