行ってしまう1月が終わり、逃げてしまう2月ももう1/3が過ぎてしまいました。期末に向けて忙しくなる方も多いのではないでしょうか。
さて、今回は弊社の提案する「未来に繋がる組織づくり」における3本柱のひとつ、「“Tenmaru式”組織変革プランニング」についてお話させていただきます。
実はこれ、今!まさに手がけているお仕事になります。とても手応えを感じており、ワクドキが止まりません!
組織変革って何をするの?
弊社では、「未来に繋がる組織づくり」のため、
「“Tenmaru式”組織変革プランニング」「適材適所の人財づくり」「失敗しない人材採用」という大きく分けて3つのサービスでご提案しております。
これら3つの要素は、それぞれが独立性を保ちながらも、お互いに影響し合い、組織を構成しております…というのは、過去になんどかお話ししているのですが、
この3つのサービスの中で、一番実態が掴みにくいのが「“Tenmaru式”組織変革プランニング」ではないでしょうか。
育成や採用は、なんとなく、ある程度の手法と結果が見える気がします。しかし、「組織変革」って具体的に何をするのよ??なんて声が聞こえてきそうです。
というわけで、今回はとある企業さまにおける「“Tenmaru式”組織変革プランニング」の一例として「諸戸流!保健室のお母さん型組織変革」をご紹介いたします。
素晴らしい会社!でも…
今回お手伝いしている企業さまは、女性スタッフの比率が高く、もっと女性の活躍を応援したい、という意識がありました。
加えて、その女性達をマネジメントする方の男性比率が高く、せっかく「女性が働きやすい職場環境を!」との高い意識を持っておられたのに、果たしてこの環境が本当にメンバーにとって働きやすいものなのか、という懸念があるとのこと。
確かに人事制度はしっかりとしているし、女性特有の疾患に対する制度なども設けており、とても環境整備されている会社だな、との印象を持ちましたが、さらにブラッシュアップさせて組織を良くしていきたいという想いが経営者にはありました。
そこで、
- 営業職出身
- 女性
- 子育て経験者
- マネジメント経験がある
- 起業している
こんな私が適任!ということでお話をいただいた次第です。とても光栄です(笑)
女性の置かれている立場を理解し、社内ではなかなか話すことのできないホンネをぶつけられる、そんな「保健室のお母さん」的存在となって、諸戸パワーを注入して欲しい!とのことでしたので、張り切ってお引き受けいたしました。
目指すのは、
- ひとりひとりが明確な目標を持って主体的に働ける職場
- 役割に応じたスキルアップができる職場
- 性差なくステップアップを目指せる職場
- メンバーの個性を引き出してチームのパフォーマンスを高める職場
です!
問題の可視化から!
どんなにうまく行っているように見える組織でも問題は大なり小なりあるものです。しかし、そもそも「問題があるか、ないかすら把握できていない」、という例がとても多いように思われます。
こちらの企業さまも、まずはどのような問題を抱えているかをはっきりとさせなければ、対策を立てることもできません。
そこで、まずは今いる人をしっかりと把握することから始めました。
今回使用した「PSAパーソナリティ診断」は精神医学と大脳生理学に基づいた診断で、
「持って生まれた変わりにくい情動」と「後天的に経験や学習によって形成された心の状態」を分けて判断できる、
まさに人材の「個性」と「今」を可視化することのできる人材アセスメントです。
これらを使い、各々の個性と、今の心の状態をしっかりと把握していきます。
見えてくる「ホントの事情」
「PSAパーソナリティ診断」を使ってわかったことは、まず、皆さんがとても意識が高く、意欲がある、そして得意な能力を発揮しあって素晴らしいチームワークを築くことのできる個性豊かなメンバーが集まっているということでした。
しかし、だからと言って問題が無いわけではありません。
ストレスが強い状態、しんどさを抱えており「心の筋力状態」が大きく低下している方も数名、おられるようです。
そして、「心の筋力状態」が下がっている方と、「情動のパターン」そして、「マネージャーのタイプ」には、はっきりと相関関係があることがわかったのです。
例えば、「情緒的な賞賛が欲しいタイプ」の方が、リスク回避を重んじる実務的で自立的なマネージャーの下についていた場合、褒められたり、承認される機会が少ないことによるストレスが非常に高くなり、しんどくなる…
といったことが、もう完全に一致しているのですね。アセスメントによる可視化が組織の問題と当てはまり、これはすごいです!(笑)
さて、問題の本質が見えてきましたね。
マネージャーにレクチャー
ここで、「PSAパーソナリティ診断」の結果を元に、プロジェクトメンバーである人事の方からマネージャー達に対してレクチャーを実施しました。
「PSAパーソナリティ診断」は、もちろんマネージャーの皆さんにも受けていただき、各々の自分のタイプ、個性を把握していただきます。
そして、貴方はこういうタイプなので、こういった指導をするタイプだ、一方、◯◯さんは、こういったことを求めています…とお伝えしました。
すると、皆さん「そうだったのか…!!」といった反応をされるのです。
自分がどんなタイプの人間かは大体わかっていた。◯◯さんが、何となく自分とは合わない気がしていた。けど、その「合わなさ」の理由も、解決方法もわからず、漠然としっくりこないなと感じていただけだったとのこと。
しかし、こうして自身のタイプと部下のタイプをはっきりさせることによって、この「合わなさ」が可視化されたのです。
あーなるほど、自分達がうまくいかない原因がここにあったか!と、気づくと同時に、自分の『良かれ』で指導するのではなく、相手のタイプで指導を使い分けなければならない」ということに気づきます。また、自分に対する理解も深まり、今までの接し方を振り返ることができました。
そして、各々の理解を深めたことにより、「叱り方」「こう褒めよう」といった具体的な接し方を伝えることができました。
ワンオンワン(1on1)でホンネを聞き出せ!
ここからはいよいよ本質の、さらにその向こうに進んでいきます。
ワンオンワンの実施です。今回は私もメンバーの皆さんが抱えている本音を知りたい、という事で人事の方と一緒にワンオンツー、ひとり30分という時間で、今手がけている部署のすべての方とお話しさせていただきました。
聞いたのは以下の通り。
- 先月よりも良かったこと、成長したこと
- 今、大変だ、不安だと感じること
- 今後自分がどのようになりたいと考えているか
- 周りで困っている人、心配な人はいないか
- 会社に対する要望、気になることなど
そして、ここ、肝心です!
「今の気持ち、ホンネを聞かせて欲しい!」
もし辛いことがあれば話してほしい!
言わないで欲しいことは誰にも言わないから!
(こちらはホントに言いません!でも、特定されない範囲で、『困りごとの本質』は、報告させていただきます)
こうして話を聞くと、これまた本当に感情の深いところまでわかってきました。
例えば、
- 「傍で見ていて心配な人」は思いのほか多くいる
- 大丈夫だと思っている人が、実はいろいろと抱えている
- 今、任されている業務がとても辛い人がいる
- 意外と本音を伝える機会が少ない
こういった、社内の人にはなかなか話すことのできないホンネも、第三者の私が入ったからこそ、伝えていただくことができました。
まさに「保健室のお母さん」です。
そして、特に自己評価が低い人や心の筋力状態が下がっている人を中心にマネージャーに報告いたします。
ホンネの話をすることによって、
- どう接していいかわからなかった人が感情的な賞賛を求めていた
- 自ら考えて動きたいタイプの人にルーティーンの仕事ばかりさせていたり
- 細かく指示を出すことで窮屈さを感じさせていた
といった、上司が良かれと思って行っている指導方法であっても「マネジメントの手法により悩みを抱えていた」部分が明確化されていきました。
効果バツグン!成功の理由とは?
そして今後はワンオンワンにより、明確になった問題に対して、相性の良いタイプのマネージャーにつけたり、より特性を生かすことのできる部署への配置換えをしたり、また、マネージャー自身が接し方を変えたりなどし、時期を見てふたたび「PSAパーソナリティ診断」を用いて、「心の筋力」の状態を確認していく…
といった流れになるかと思います。
そして、これらの取り組みを始めて、1ヶ月…
マネージャーの皆さまの自己理解が進み、メンバーに対する関わり方を変えていこうと意欲的です。またリーダーや他部署の方々もアセスメントに興味を持ち、ご自身やお互いの「個性」に関心を持つようになりました。
たったの1ヶ月です。このプロジェクトを通じて、社内の風通しがさらに良くなるだろうということが目に見えて変化してきているのを実感してワクワクしています。
このやり方は正しい!そう信じて取り組んではおりましたが、想像を超える成果に、もう、これ皆さんホントにおススメですよ!と、大声で言って回りたいくらいです(笑)
しかし、今回の成功の理由は何でしょうか。たまたまうまくいっただけ?運?
私が思う、今回のお仕事が成功しつつある理由は以下の通りです。
・第三者が入ることにより、本当のホンネの吸い上げができた
社内の人には言えないことも、少なからず外部の人間である私だから話せるというのがあったように思います。秘密は守る!というのが信用された…のだといいのですが。とにかく、社外の人が入るということが効果的に働いたとお褒めの言葉を頂き、大変嬉しく思います。
・企業が覚悟を持って取り組んでくれた
こちらの企業さまは「お金をかけてやるんだから、本当の意味でのホンネを聞いて、良くしたい」という明確な意志をお持ちで取り組んでいただきました。なんとなく、社員のためにやった感が出ればいいかな…というのではなく、本気で良くしたい!との覚悟があったということですね。
・上長からしっかりとした指示があった
今回の取り組みに際し、経営者の方からマネージャーに対して「しっかりみんなの気持ちを聞き、やり方への忠告も受け止めよ」との説明がありました。
上の人が真剣に取り組んでいる、との宣言があったからこそ、この取り組みが機能しましたし、皆さんも真剣になり、私たちプロジェクトメンバーからきちんと言うべきを伝えることができました。
また、この取り組みに際して、
「人」を批判しているのではなく、「やり方」の話をしているだけ
というのを上長の方が理解し、それを周知していただくことで、「マネージャーとしての仕事ぶりを評価される怖い取り組み」という誤解をされることなく、皆で進むことができているように思います。
自走式組織として
…というわけでいかがでしたでしょうか。今回は
「諸戸流!保健室のお母さん型組織変革」の一例をリアルタイムでご紹介させていただきましたが、
本当に改めてこの取り組みは「いいこと」しかありません!やらないともったいない!これをやるべき!と、心からおススメいたします。
例えば、一見すると、誰ともうまくやれず、問題があると思われているような人でも、その人が「チームのやり方」に合っていないだけだった、なんて例もありました。そんなちょっとしたボタンの掛け違いで辛い思いをしている人があなたの周りにもいるかもしれません。
今回のケースは手始めとして小規模なスタートとしたため、私が対象となるすべての方のワンオンワンに同席させていただきました。
しかし、私が目指すのは、あくまでも「自走できる組織」。ですので、ゆくゆくは人事の方が中心となって進めていけたらなと考えています。
今回に関しては、プロジェクトの動向を伴走するために自分自身がどうしても把握したかったというのもあるのですけど(笑)そういう意味では何も私だけが保健師のお母さんである必要はないということですね。
また、ワンオンワンに関しても、必ず全員と話す必要はあるとは限りません。アセスメントの結果、心の筋力低下を起こしている方だけ面談する方法もあるでしょう。そのあたりは企業さまの考え方かと思います。
しかし、今回の件で痛感したのが、人材アセスメントとワンオンワンはセットで行ってこそ、真価を発揮するということ。
これは私の体感なのですが、こういった「心の健康診断」は、主に人事の方だけが見ることも多いかと思いますが、私が用いた「PSAパーソナリティ診断」は、良い悪いではなく、個性を見るためのものです。なので、結果を本人と一緒に見ながら建設的な話をすることができるのです。
以上、組織変革の具体例な成功例でした。この取り組みはまだまだ継続していきます。今から結果にワクワクしています!
個性を見える化するとともにワンオンワンで原因を特定!
ワクドキな組織、そうなるには理由があります。
「諸戸流!保健室のお母さん型組織変革」で組織を活性化してみませんか?
今回の取り組みのような組織変革事例をお伝えする、“Tenmaru式” ワクドキ組織の人材育成ランチョンセミナーを開催いたします。
※開催終了しております。