暑くもなく寒くもない、一年でもっとも過ごしやすい季節ですね。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。働きやすいこの時期、毎日ワクドキでお仕事をしていきたいものですね。
さて、今回はいつもと趣向を変えて、「人事トレンドワード」について、私、諸戸なりの考え方、解釈などを語っていければと思います。
人事、育成、採用に関わる者にとって、時代時代の「流行」というものがある、というのは実感していることです。
「流行り」というものは、好意的にも、そして批判的にも受け止められるものでもありますが、では昨今の組織・人材における「トレンドワード」は、どのようなものなのか。そして、私たちはそれをどのように受け止めればよいのか。一緒に考えていきましょう。
どこかで聞いた「トレンドワード」
人材業界では、毎年のように流行する言葉、すなわち「トレンドワード」が出てきます。試しに「人事 トレンドワード」と検索してみましょう。
- 「賃上げ」
- 「リスキリング」
- 「人的資本経営」
- 「キャリア自律」
- 「ジョブ型」
- 「女性活躍」
- 「人材不足」
- 「ダイバーシティ」
- 「中途採用」
- 「テレワーク」
- 「キャリア」
- 「はたらく人の幸せ」
これらの言葉が最近のトレンドですよ、というサイトや考察が多数、ヒットします。
いかがでしょうか。皆さまも何度も目にしたワードが並んでいるのではないでしょうか。
そして、これらトレンドワードで昨今の人材業界を読み解く、鋭い考察記事も多あります。どの記事もなるほどと納得させられるものです。
人材業界の抱える課題、取り組むべき道を示してくれるこれらのワード、皆さまはどのように受け止めるでしょうか。
確かにその通り…だけど…
23−24年度における最新トレンドワードは、
「賃上げ」「リスキリング」「人的資本経営」
なのだそうです。この言い方が適切かどうかわかりませんが、とても今っぽいワードですね。
果たして、これら全てを取り入れ、今ドキの組織を目指すことが正解なのでしょうか。
当たり前の話ですが、組織には規模による体力差があります。そして、経営状態も上り坂あり下り坂あり、そのときによって変化していくものです。
弊社Tenmaruは組織づくりのお手伝いをしている会社ですが、さてより良い組織を目指しましょう、という際、
「従業員の幸せのために賃上げをしましょう。そしてより良い人材育成のため、すべての従業員に対してリスキリングをし、人的資本経営を目指していきましょう」
というような提案には至りません。
当たり前の話ではありますが、今ある組織に、「これが良いだろう!」というものを落下傘的に落としたところで、今抱える問題は解決しないからです。
つまり、トレンドが必ずしも、皆さまの組織の最適とは限らない…こちらは当たり前の話ですよね。
組織作りとは、ピンポイントの対策で何とかなるものではありません。
問題は連続し、互いに影響し合い起こります。そして対策もまた、それぞれが連動し、繋がりながら効果を発揮していくもの
トレンドワードは確かにとても良い響きですし、いいこと言うなあ、と私も思います。しかし、「これが最新、正しいこと」と、安易に取り入れることに、私は少々の危なっかしさを感じるのです。
トレンドワードには意味がある
では、こういった人材業界の潮流、現在の流行は無意味なのでしょうか。単に流行っててそれっぽい、机上の空論なのでしょうか。
もちろんそんなことはありません。これらトレンドワードをテーマにした記事はどれも、しっかりとした考察がされており、大変納得のいくものです。人材業界の今を捉えるのに、こういったトレンドワードを考察すること自体はとても意義のあることと感じます。
しかし、そういった「考察」を安易に取り入れるのは考えものです。
ではどうすればよいのでしょうか。
私は、「しっかりと選んで欲しい」と思うのです。
どんな組織を目指しますか?
もう一度最新のトレンドワードを思い出してみてください。
- 「賃上げ」
- 「リスキリング」
- 「人的資本経営」
- 「キャリア自律」
- 「ジョブ型」
- 「女性活躍」
- 「人材不足」
- 「ダイバーシティ」
- 「中途採用」
- 「テレワーク」
- 「キャリア」
- 「はたらく人の幸せ」
これらを見てどうお感じになりますでしょうか。組織としてぜひ取り組みたいことがたくさんあるのではないでしょうか。
一方、あまり共感できない、そこは重視していない、もしくは今は取り入れるタイミングではないと感じるワードもあったはずです。
それは恐らく組織においても同じ。
すべてを大切にすることは不可能なのです。
これらのトレンドは確かにたくさんの人の関心を集めており、検索にもかけられているものです。それは事実ですが、闇雲にすべてを取り入れるというのは無理というものです。
これは順不同ですが、いわゆるランキング形式にしているサイトも多数ありました。しかし、順位があったとして、その順番に対策していくことが、今ある組織にフィットするのでしょうか。
これらのトレンドワードについて、私は
「この組織は、ここを大切にします」というお品書きのようなものなのかな、と考えています。
会社として組織として、目指したい方向性を指し示す言葉なのではないでしょうか。
しっかり、選んで欲しい
トレンドを知って取り入れるうえで大切なのは、組織として大切にしたいものをしっかりと考え、選び取ること。
今まで名前がなかった概念に「名前」を付けてくれることは、トレンドワードの功績のひとつだと思います。
言語化された概念を考察し、皆様の組織では何を大切にし、どんな組織を目指すのか、考え、方向性を選び取ること。
「こういう組織を目指したいし、これを取り入れたい。まだできていないことは何だろうか」という考察に活用することができればトレンドワードは大きな力になってくれるのではないでしょうか。
「会社全体としてIT活用がうまくいってない」ということであれば「リスキリング」が必要かもしれません。
「女性の多い職場なのでもっと活躍してもらえば生産性が上がりそう」であれば、「女性活躍」「ダイバーシティ」でしょうか。
「社内のプロフェッショナルを大切にしていきたい」のであれば、「ジョブ型」。
流行のキーワードに流されるのではなく、今、何が組織に必要なのかから主体的に考えていただきたいのです。
「マッチング」でトレンドワードを大いに生かそう!
組織づくりをするうえで、トレンドワードを検索するような方は、おそらくとても勉強熱心で心から良い組織をつくりたいと考えていることでしょう。
しかし、流行だからと飛びつくのは危険です。流行に振り回され、本質を見失ってしまいます。
トレンドに必死になってついていくのではなく、むしろトレンドワードを主体的に利用して、組織づくりに生かしていただきたいのです。
そこで重要なのはなのが「マッチング」の視点です。組織にとって今、何が足りないのか。必要なものは何なのか。見極めましょう。
「トレンドワード」を題材に、話し合うのもよい方法かもしれません。流行しているものには必ず理由があります。言葉を目にし考え話し合うことで、皆が幸せになれる組織の方向性が見えるかもしれません。
幸せな組織とは、働く人が幸せなこと。賃金アップはもちろんのこと、賃金を上げるためにはどう売り上げを伸ばしていくのか、売り上げがアップする組織とはどのようなものなのか。より良い組織にするには何が必要なのか。これらをトレンドを触媒として話をしていけば、意義深いセッションになると思います。
「この言葉がしっくりくるね」となるか、はたまた「うちの会社には必要ないな」と感じるか。どちらでも良いのです。組織の数だけ方向性があるはずなのです。
組織の向かう方向に迷ったらぜひTenmaruにご相談ください。
状況把握と情報整理のお手伝いをいたします。
そして「ワクドキな組織」を目指しましょう!いつでも!馳せ参じます。
流行を追いかけるだけでなく使って有効活用したいとお考えの、本質を見失わない組織づくりにTenmaruは寄り添います。