もうすぐ8月…この時期は毎回「暑い」とばかり書いていて、さすがにちょっと…と思い過去のコラムを見直してみましたが、やはり最近の東京はちょっと尋常ではなく暑い気がします。
そんな中、私は一昨年、昨年のモントリオールに引き続き、今年はオーストラリア、メルボルンに来ております。こちらはうって変わって冬。
日本の真冬ほどではないですが、それでも私が滞在中の期間は雨模様が多く、6~10度で、時に薄手のダウンが必要かなという感じでございます。
今回は約10日間の短期滞在なので、寒暖差にやられないように気を付けて過ごさないとと思っております。
さて今回は、組織づくりに欠かせない「パーソナリティ診断」についてのお話をさせていただきます。こちらも過去にも何回かお伝えしておりますが、最近、特にいろんな企業様に関心を持って頂く機会が増えてきました。


その中でも、弊社が特に取り扱っている「PSAパーソナリティ診断」は精神医学と大脳生理学に基づいた診断ツールで、
「持って生まれた変わりにくい情動」と
「後天的に経験や学習によって形成された心の状態」
を分けて判断できる、まさに人材の「個性」と「今」の状態を可視化することのできる人材アセスメントです。

こちら、組織づくりに、上司や部下の関係性の相性を見るために、また個人の資質、特性をしっかり把握したうえで人事などに活用できますよ…というお話をさせていただいております。
組織は「個」が集まる場所です。それぞれが皆、違う人間であるということが大前提。その「個」の「性質」、つまりは「個性」を組織に活かすための羅針盤、それが「PSAパーソナリティ診断」。
仕事へのモチベーションや頑張れる理由など、人はそれぞれ違った個性を持っていること、何となくはご理解いただいているかと思います。
例えば感情的に承認されないとモチベーションを保てない人、淡々とタスクをこなしたい人など、聞けばあるあるだな、と感じるのではないでしょうか。
承認されたい人が実務的な上司の元でモチベーションを失ったり、逆に淡々と働きたい人が感情の共感を強制されると感じたりなどのミスマッチによって、会社も本人も望まぬ離職につながるなど、あまりに残念な話です。
仕事における「やる気」問題
その人が個性を生かして活躍できる組織にー
言葉にすると一見それらしく見えますが、結局のところ一体、何がどうなると「活躍」なのでしょうか。
尽きるところ、その人が「やる気」を持って仕事に取り組んでいるか、ということなのかなと感じます。モチベーション高く主体性をもって働ける。これはすべての人がかくありたい、と感じる状況なのではないでしょうか。
人は誰しも最初はやる気を持って仕事を始めます。それが失われるのはなぜでしょうか。
以下の資料をご覧ください。
【退職理由の本音ランキング】
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)引用:リクナビ/転職理由と退職理由の本音ランキングBest10/25年7月22日/
https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/4982/
より一部抜粋
退職理由の上位3位まで、これがすべて「人間関係」に関わるものなのですね。
この退職理由に驚きますか?少なくとも私は「まあ、そうだろうな」と感じます。結局のところ、仕事は他人とするものですし、組織は人がつくっています。人間関係が良好であれば、やる気も維持できるものなのです。
それでは互いを思いやり合って仕事を進めましょう!
…これで解決すればいいのですが、そうはいきません。それは
「快、不快は人によって違う」からです。
他者の価値観を知ることの大切さ
その人にとっての「良かれ」が他の人には「良くない」
これは仕事に限らずすべての人間関係で起こり得ることです。
例えば仕事の合意ひとつ取ってもそうです。
例えば上司が良かれと即断即決、スピード感を持って仕事をするのを良しとする反面、部下の中には、慎重さが足りないな、自分の意見が聞き入れられないと感じるなど、想像できるのではないでしょうか。
逆に全員の意見を聞いて合議制を取る上司に対して、頼りがいが無いな、決断力が無いなと感じる部下もいるでしょう。

このようにその人の個性によって、「良い」「悪い」「快」「不快」は違います。こういった理由から、職場のミスコミュニケーションが発生し、結果として不本意な離職を招いているケースが非常に多いのです。
「PSAパーソナリティ診断」実際にどうなの?
さて、では実際に弊社で実施した、とある経営者が集まる組織にて「PSAパーソナリティ診断」フィードバック会実施の様子を一部お届けいたします。
『PSAパーソナリティ診断』は、
「持って生まれた変わりにくい情動」
冒険家/情熱家/生真面目/完全主義/理想家/慎重家/孤高人/芸術家

「後天的に経験や学習によって形成された心の状態」
成熟/組織的/夢想的/気分屋/独裁的/気まま/他律的/控え目…など

と、タイプと心の状態をそれぞれに分類するものです。
そして、今回診断をした組織の方13名のうち、実に半分以上の7名が
「持って生まれた変わりにくい情動」は、
「冒険家」タイプと診断されました。
「冒険家」タイプの特徴は以下の通りです。
「ひとりで決めたい」
「自由を求める」
「行動力がある」
「アイディア豊富」
「自分のペースで進めたい」
冒険家タイプの長所としては
・新規事業の立ち上げなどに向いている
・行き詰まった際に突破口を開く
・スピード感のある意思決定ができる
などです。
「冒険家」の多い集団であれば、新規性の高い部門を任せる、逆に停滞している事業を任せるなどすれば、良い結果が期待できるかもしれません。
しかし、「冒険家」が多いゆえのデメリットも存在します。
・長期的な視点や綿密な計画は苦手、計画性にやや欠ける傾向あり
・新しいことへの興味が先行するあまり、継続力に懸念あり
・行動優先でリスク管理不足
・個人プレーが多くなりチーム連携に課題
では、この組織は今後どのようにしていけばより良くなれるのでしょうか?
半分以上が「冒険家」とお伝えしましたが、残りの人材のタイプは
「情熱家」「生真面目」「完全主義」でした。
この少数派は実は組織において重要な役割を果たすことができます。
「情熱家」は、勢いで突っ走りがちな「冒険家」達に、しっかりとしたビジョン構築を促すことができるでしょう。また、個人プレーに走りがちな彼らが苦手とする対外的なPRなどでも力を発揮してくれるはずです。
「生真面目」は、ともすればプロジェクト立ち上げ時ばかり力が入りがちな冒険家組織の仕事を、安定した継続運営へと進めることに貢献してくれるはずです。また、リスク管理を苦手とする冒険家達の中で、品質管理などを任せることができるでしょう。
「完全主義」は、勢いとノリ重視になりがちな冒険家チームの意思決定プロセスを明確にし、精度の高い管理をしてくれるはずです。
このように、その組織に、どのようなタイプの人がいて、どのような組織構成をしているか、そして、それぞれの強みを生かし苦手をカバーし合う運営を考えることができます。
さらに、今後、この組織に必要な人材のタイプ
「慎重派」…リスク分析と長期的視点での計画立案補助
「孤高人」…データに基づく冷静な分析と深い専門性
「理想家」…長期ビジョンと戦略的思考
今後補充するとしたら、上記のような人材が加わることでチームやプロジェクトはさらに強くなれますよ…といった提案をすることも可能となります。
実践に落とし込む
さらに、このチーム運営を円滑に進めるために、「互いに心地よい」コミュニケーションのコツなども提案できます。
例えば、もっとも人数の多かった「冒険家」タイプの人には
「まずは計画を立てましょう」「前例に従ってください」などの文言は、たとえ内容が正しくてもNGです。
それは、「冒険家」にとって、その言葉は「心地よくない」から。
逆に、「あなたのアイディアに期待しています」「自由にやってみてください」という言葉は「心地よく」感じます。
このように、タイプ別に互いにルールを守りつつも「心地よい」コミュニケーションをはかることで、チームの人間関係はより円滑になっていきます。

そして、この組織の場合の実践ポイントはこんな感じでしょうか。
・PSA診断を活用し、組織内の多様性を可視化する
・冒険家タイプが多いという特性を活かす。行動力・創造性に優れた冒険家タイプの強みを発揮しつつ、計画性や慎重さのバランスを取る。
・組織に不足している慎重家・孤高人・理想家タイプの視点を意識的に取り入れる機会を作る
・「関係の質」を高める対話を意識し、日常のコミュニケーションに取り入れる
この結果に、皆さんは非常に腹落ちされたようで、自社の組織や他のプロジェクト、はたまた自分の家族でも活用したいという意見を多くいただきました。
「PSAパーソナリティ診断」のさらなる活用
確かに、これまでは主に会社や組織で実施して頂く診断ツールとして活用されていました。
しかし、この「PSAパーソナリティ診断」、何も企業における組織づくりだけに有効なわけではありません。
皆さんにもっとも身近な人間関係、例えば家族、夫婦間、親子間などです。
これらの人間関係も同じ、
「心地よいコミュニケーションで関係の質を高める」これはある意味、すべての人間関係においても有効です。
そしてその声を反映して「PSAパーソナリティ診断」を活用した、以下のようなサービスが始まっております。
「ヒトのミライ」は、PSAパーソナリティ診断をベースに、親子・夫婦・職場などあらゆる人間関係の“すれ違い”を防ぎ、相互理解を深めるためのサポートサービス。
相手の“生まれ持った気質”と“心の使い方の傾向”を見える化
人間関係のストレスを減らし、心地よい関係づくりを後押し
家庭・教育・職場など、場面を問わず活用できる
「人と人が、もっとわかりあえる未来」を目指す実践的なツールとして展開されています。
このように、「PSAパーソナリティ診断」はすべての人の「心地よいコミュニケーションで関係の質を高める」ために非常に有用なのですね。
診断の結果を受けて
上記にありますように、「PSAパーソナリティ診断」を受けた組織の方々からは、もっと活用したい、他のシーンでも取り入れていきたいという意見を多くいただきました。
人間関係に有効なのであれば、何も企業内だけの利用に留まることはありませんよね。
福利厚生の一環として、社員の家族が利用できる形で「PSAパーソナリティ診断」を提供するサービスなども一部始まっております。
家族だけではない、例えば介護職の方が介助者との関係を良くするために、教職員が学生との関係を円滑にするためなど、考えればいくらでも「PSAパーソナリティ診断」が役立ちそうなシーンが思い浮かびます。
「心地よいコミュニケーションで関係の質を高める」ための『PSAパーソナリティ診断』、ぜひおススメです!
企業向けも個人向けに関しても無料トライアルがありますので、
まずはお試しに受検されてみて下さい。
詳しくは弊社までお問い合わせいただけますと幸いです。